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通信制大学

刑法総論の学習記録

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今回の記事は、慶應義塾大学通信教育課程法学部の必修科目(憲法、民法総論、刑法総論)の一つである刑法総論の学習記録です。

学士入学の場合、刑法総論の配本年度は2年目。憲法、民法総論よりも後に配本されるものの、配本直後に両科目を履修しなかった場合、先に刑法総論を履修しても何ら問題はありません(実際、僕は民法総論よりも先に履修しました)。

昨今は多くの刑事ドラマや司法ドラマが放送されているため、民法や憲法に比べると、刑法で取り扱う内容を聞いた方も多いのではないかと思います。ただし、それは刑法の導入に過ぎず、刑法総論ではより上位の概念を学ぶことになるという点には注意が必要です。

今回の記事ではレポート科目試験(代替レポート)参考文献について僕の経験を元にまとめます。これから刑法総論を学ばれる方の参考になれば幸いです。

レポート

2020年度の課題は甲と乙の罪責を検討する事例問題

刑法の問題としては一般的な内容ではあったものの、事例問題への解答が初めてだったため、レポートの書き方に戸惑いました。僕は書籍やネットの情報を参照して、悩みながら書き進めたものの、レポートはとりあえず作成して提出する、これに尽きます。

初学者があれこれ悩んで時間をかけて作成するよりも、作成→提出→フィードバックのプロセスを繰り返すことで、検討すべき論点の明確化や内容の深い理解につながるので、結果として効果的かつ効率的に学習を進めることができます

提出1回目(2020年11月提出)

1回目は2020年11月に提出。設定された事例において、甲と乙に◯◯罪が成立するのか、それぞれの行為がその犯罪類型の構成要件を満たしているのかという点を意識して作成しました。

約1か月後の2020年12月に不合格で返却。最低限検討すべき犯罪類型や論点は抑えられているものの、論点の検討が不十分な域にとどまっているとの講評。検討が不十分な箇所については、刑法各論や学説の視点も検討すべき、というような具体的なアドバイスをいただくことができました。

提出2回目(2021年2月提出)

2回目は2021年2月に提出。1回目の講評に基づき、◯◯罪の成否にあたって優位となりそうな学説や刑法各論の文献を参照して本問の類似事例の内容を加え、修正しました。

約1か月後の2021年3月に再び不合格で返却。レポートの内容も整理され、検討の方向性も悪くないものの、結論に至るプロセスに改善の余地があるとの講評。1回目の講評と同じように具体的なアドバイスをいただいたうえ、参照した方がよい文献もお示しいただきました。

提出3回目(2021年6月提出)

3回目は2021年6月に提出。2回目の講評でお示しいただいた文献が地元の図書館になかたっため、初めて三田メディアを利用しました。大学図書館なので当たり前ですが、専門書や専門雑誌が豊富に所蔵されているため、東京近郊にお住まいの方は可能な限り利用することをおすすめします。

約1か月後の2021年7月に合格で返却。気になる箇所はあるものの、検討すべき論点は適切に検討できているとの講評でした。

科目試験(代替レポート)

2020年第IV回の科目試験(代替レポート措置)を受験し、合格しました。

ある状況において刑法◯条の成立が否定される理屈を述べよ、という内容の事例問題。◯条の構成要件を示し、行為者の行為を構成要件に当てはめ、◯条の成立を否定する論拠を述べました。問が明確で解答の方向性が最初から定まっていたため、レポートは作成しやすかった印象です。

参考文献

レポートの作成と科目試験(代替レポート)の対策で個人的に役に立った文献を三つ紹介します。

2021年度から指定テキストになった書籍。

2020年度までの指定テキスト(井田良著、『講義刑法学・総論』、有斐閣)は、僕のように初めて刑法を学習する人にとっては難易度が高い印象を受けました。本書は刑法総論の基本的な知識を習得するにあたり、関連する学説や判例が理解しやすい表現で記載されています。

こちらも入門書としての位置付けです。上記の日評ベーシック同様、分かりやすい表現で記載されているだけでなく、適度に図や表が挿入されていたり、チェックすべきポイントが示されており、知識の定着を促してくれるような構成となっています。

刑法総論のレポートといえども、○○罪の成否を検討するにあたっては刑法各論の知識や考え方が必要になります。本書は出版年がやや古い(2017年)点は気になるものの、幅広い事例が扱われているので、事例問題の検討には有効です。

まとめ

今回は慶應義塾大学通信教育課程法学部の必修科目の一つである刑法総論の学習記録をまとめました。

刑法総論の履修にあたり、レポート作成や科目試験対策を踏まえて、重要だと感じる点は次の三つ。

  • レポートの体裁に拘らず早く提出して添削を受けることが重要
  • 刑法総論の事例問題でも刑法各論の知識は必要
  • 東京近郊に住んでいる場合は三田メディアを有効に使う

一点目と三点目は刑法総論に限らず、慶應通信で学習を進めていくうえで重要になる点だと思っています(僕自身も実践しています)。

今回の記事がこれから刑法総論を学ぶ方の参考になれば幸いです。

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