満足のいく睡眠を取れている人はどのくらいいるのだろうか。
日本人の睡眠時間は理想と実態の乖離が特に大きいそうです。毎日ヘトヘトになりながら働いているのに、労働生産性も低いとなると。。。
適切な睡眠時間を確保することが理想ではあるものの、様々な理由から、そうできない方が大半だと思います。なので、たとえ睡眠時間が十分でなくても、せめて質だけは担保したい。そういった願望はないでしょうか?
僕自身、最近は自分が理想とする睡眠時間を確保することが難しいので、今回『スタンフォード式最高の睡眠』に助けを求めました。
最初に結論を述べると、要点は次の二つだと思います。
- 最初の90分が睡眠全体の質を支配する
- 体温と脳のコントロールが良質な睡眠の鍵を握っている
睡眠の基礎知識
本書で最初に衝撃を受けたのは、ショートスリーパーは遺伝によって決まるということ。慣れではないんですね。ショートスリーパーではない大半の人は、最低6時間の睡眠を連続して取る必要があります。
そしてこの6時間(もしくは自分に最適な睡眠時間)に足りない分を数日の寝溜めで取り戻すことはできません。わずか40分の不足分を取り戻すためには、14時間寝る生活を3週間継続する必要があったというデータが紹介されていました。
入眠してから90分間のノンレム睡眠の間に、疲労回復や記憶の整理などが行われるため、最初の90分間の質が睡眠全体の質を左右します。睡眠は「終わりよければすべてよし」ではないということですね。
ここから言えることは、最初の90分間を深く眠り、最低6時間は連続して寝なければ、睡眠が持つ効果を満足に享受できないということでしょう。
体温と脳のコントロールが不可欠
では90分間を深く眠るためにはどうしたらいいのか?
冒頭でも述べたように体温と脳のコントロールがその鍵を握っています。
体温に関しては、皮膚温度を上げ、深部温度を下げ、両者の差を縮めることで、スムーズな入眠が実現します。この体温コントロールで絶大な効果を発揮するのが入浴。しっかり湯船に浸かることが理想であるものの、両者の差を縮めることが重要なので、時間がないときは即効性のある足湯が効果的です。
脳に関しては、いつもと同じ環境(ベッド、時間、寝具、照明など)で単調に過ごすことで、入眠モードに促します。なお、脳が興奮していると体温も下がりにくいので、脳自体の温度(室温)コントロールも重要です。
まとめると次のステップを踏むこと必要ということでしょうか。
- 入眠時間を固定する
- 入眠時間から逆算して入浴する
- 入浴後、入眠までを単調なルーティーンで過ごす
イレギュラーなときは?
とは言っても、毎日決まりきった時間に入眠して十分な睡眠が取れれば苦労しませんよね。安心してください。本書には例外への対処方法も記載されていました。
まずは眠いとき。
眠いときは睡眠に関する好条件が揃ったときなので、そのまま寝るのが一番。眠いまま作業を続けるよりも、いったん寝て最初の90分が過ぎてから起きて作業を再開する方がパフォーマンスが上がります。その際、寝る直前に手足を温めることで、よりスムーズに深い眠りに入ることができます。
もう一つは、早起きなど何らかの理由で寝る時間を早めたいとき。
人間は通常寝ている時間の1〜2時間前が最も眠りにくい時間帯のため、何もせずベッドに入るだけでは寝られません。ここで入眠は皮膚温度と深部体温の差が縮まることで促される点に着目。入浴時間を通常よりも早くしたり、ストレッチすることで作為的に体温を上げることができれば、何もしないよりも入眠を促すことができます。
体温と脳をコントロールして最高の睡眠を
今回は『スタンフォード式最高の睡眠』を参考に、質の高い睡眠を取るために必要なポイントをまとめました。
- 最初の90分が睡眠全体の質を支配する
- 体温と脳のコントロールが良質な睡眠の鍵を握っている
この前提に立ち、良質な睡眠を取るためのステップは次のようになると思います。
- 入眠時間を固定する
- 入眠時間から逆算して入浴する
- 入浴後、入眠までを単調なルーティーンで過ごす
何らかの理由で通常とは異なる時間帯に寝るときも、このステップをベースにして、特に体温のコントロールを意識することで、睡眠の質を上げることができます。
僕は本書籍を読了してから、本書籍の著者である西野精治さんが監修された「ブレインスリープピロー」を購入してみました。高めの価格帯ですが、良質な睡眠を得るための自己投資と思っています。
体温と脳のコントロールを意識しながら、最高の睡眠を取るため、日々の生活を目直しましょう。